私立網走図書館 (南六東五)
―― 網走の図書館は北海道のさきがけ ――
網走市役所すぐ隣の網走警察署前です。
ここに、当時北海道でもめずらしい図書館ができたのは、明治41年(1908)のことです。それが、私立というのはどうしたわけでしょうか。
明治39年に日霧戦争が終ったのを記念して、安田貞謹、貴田国平、松崎豪さんらが図書館をつくろうと計画し、空家を利用して「日露戦役記念網走図書縦覧所」を開きました。次の年に「日露戦役記念私立網走図書館」と名を変え、41年に建物を新築しました。木造ですが、洋館ふうの堂々とした図書館でした。
1179円の費用は、藤野家や町の有志の人からの寄付を受け、二階建て38坪(約129u)の、網走では初めての図書館が生まれたのです。これが後に町立図書館になり、昭和36年(1961)に、現在の市立図書館ができるまで使われました。
ところで、網走図書縦覧所が生まれる前の明治26年に、網走書籍(しょじゃく)館という読書施設が大曲にあったことが分かっています。これはキリスト教の伝導活動に関係するものではなかったかと、思われています。
このように、北海道で図書館のさきがけという歴史を持っているのが、網走の街なのです。
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