北盛亭跡 (南3東3)

―― たくさんの客でにぎわった花街の料亭 ――

 網走管内最初の料亭といわれた北盛亭があったのは、志賀薬局の裏の株式会社林屋の駐車場になっている場所です。ここは北見町中通四丁目の浜角といわれました。

 明治の末に開業した北盛亭は、200坪(約660u)の敷地に二階建ての大きく豪華な造りで、二階からの海辺の風景がすばらしいものでした。毎夜たくさんの客でにぎわっていて、料理人や芸者をおおぜいかかえていたといいます。

 明治の末から大正の初めにかけて、網走には他に一喜亭、玉島亭、梅月など多くの料亭があってにぎわっていました。豆成金の客が、お札を燃やしてはき物を探したなどという話が伝えられています。

 その後、網走港の建設がはじまり、網走管内の物資の集散地となって、網走の花街はますます栄え、料亭だけでなく遊廓も軒をつらねていました。知らぬ人なしの、道東一といわれた北盛亭はその象徴でしたが、昭和19年戦争がはげしくなり料理店のいっせい廃業により閉店しました。

 

 

 

大正元年の北盛亭

 

 

 



歴史散歩 北盛亭跡